モバイル化した空間たち by AK

携帯電話に、DSなどのゲーム機器、ノートパソコン、電子辞書…
もともと家庭で使われていたものが小さくなり、持ち運びが便利な
アイテムとして、現在では大抵の人が持っていますよね。
今回はそんなモバイル化された身の回りのアイテムからちょっと視点を
変えた、モバイル化された「空間」をご紹介します。

旅行に出かけるときや、ちょっと遠出する時、荷物も重いし、ホテルも
家ほど居心地が良くない…いっそのこと家ごと持って行けたらいいのに…。
そんな願いをかなえてしまったのが、線路の上を移動できる家!
ノルウェーの街を活性化するためのアイデアコンペで受賞したアイディアで、
街中から大自然の中まで至る所に線路を敷設し、その上を電車の様な箱型の建物が
移動する、というもの!

身の回りのものではなく、「空間を持ち運ぶ」という考え方が斬新。
自宅ごと移動できるので、居心地も最高のはず。自宅のリビングから大自然
眺められたら素敵ですね。都会に住んでいても、週末は山の奥で自宅キャンプ、
なんてこともできてしまいそう。

この箱型の建物、縦長に3階建てのものもあり、中にはホテル、入浴施設、コンサート
ホールなど、「旅する娯楽施設」もあるそう。自宅で旅しながら夜はたまたま近くに
泊っていたホールでオペラ鑑賞、なんてこともできるかもしれません。
あちこちに線路を敷き巡らせるのは大変そうですが、思わず想像の膨らむこのアイディア、
ぜひ実現して欲しいですね。

続いてドイツに登場したのが、なんと動く交番!

街の安全には欠かせない存在となっている交番ですが、日本と比べるとかなり
やわらかい雰囲気のこの交番。街の外観も壊さず、木目模様のパネルで環境にも
なじみやすいので、パトロールがてら移動していても、悪いことをしていないのに
パトカーを見るとなぜか緊張してしまう、なんてこともなさそう。
移動式交番(もしくは交番型パトカー?)という発想がおもしろいです。

最後はモバイル化されたホテルともいえる、キャンピングカー。
キャンピングカー自体は昔からありますが、自宅ほどは居心地は良くないもの。
しかし年々進化を遂げ、コンセプトカーとして未来型のものも続々発表されています。
中でも目を引くのが、世界で最も高価なキャンピングカーと言われている、
MARCHIMOBILEの「eleMMentVIVA」。

停泊中にはルーフラウンジ、エクステンドスペースなど、車とは思えないほど
ラグジュアリーな内装。お値段なんと190万ポンド(約2億4000万円)!
かっこいいのか悪いのか良く分からないデザインですが、これなら旅行用ではなく
立派な「動く家」として使えそうです。

こういったモバイル化された空間たちですが、自分が運ぶのではなく、
運ばれる対象になるという考え方がユニーク。
ノマドワーカーなど、必要なガジェットを持ち運んで自分が動き回るという、
「放浪」傾向にありますが、今後はこういった空間ごと動く概念が定着して
新しいトレンドが生まれるのでしょうか?よく考えると恐ろしいですが、本人は
全く動かなくても、目的地へ自由に行き来できる時代が来るかもしれませんね!