注目の金魚アート by AK

今話題となっている金魚をモチーフとしたアートをご存知でしょうか。
金魚というと日本伝統の風物詩で、屏風やうちわ、浴衣など様々な
アイテムに描かれていますが、最近ではそんな金魚がただの「柄」
ではなくアート作品として国内外から注目を浴びています。

まずは本物の金魚を使ったアート「アートアクアリウム展2012」。
先月から今週の月曜日まで開催され、連日賑わいを見せていたこの展示会。
なんと5000匹(!)もの金魚が展示され、夜には「ナイトアクアリウム」として
お酒を飲みながら幻想的な雰囲気を楽しんだり、DJイベントが開催されるなど
都会らいしいスタイルが人気で、連日賑わいを見せました。
私もどんなものかと行って来たのですが、入館90分待ちと大人気!
しかし誰もがそんな待ち時間も忘れるほど「金魚がこんなに美しかったとは!」と
心を動かされている様子でした。

アートアクアリウムの目玉、「巨大金魚鉢」が。光の加減で金魚の見え方も変わります。

金魚が描く「万華鏡」。覗いた先に金魚が泳いでいると鮮やかな万華鏡模様が
見えます。

8mの水槽にプロジェクションマッピングにより投影された日本の四季映像と
本物の錦鯉を融合させた「水中四季絵巻」。雪景色の中を鯉が舞っているよう。

このほかにもフラワーアレンジメントと金魚をコラボさせた「花瓶水槽」や
ベネチアングラスの金魚鉢、屏風水槽など、金魚の美しさや妖艶さ、幻想的な空間を
堪能できる作品が盛りだくさん。光や映像を使った斬新な演出や、普段は目にすることの
ない規模の金魚、そして何よりも動きが予想できない「生きた金魚」であることが、
オーディエンスの目を楽しませる最大の魅力なのだと思いました。

そしてもう一つ、今話題の金魚アートが、現在国立新美術館で開催中の
個展「色浴ノ秋(しょくよくのあき)」。

一見、お椀の中に本物の金魚?と思いきや、実はこちら、手で描いたもの!
アーティストの深堀隆介さんによる独自の技法で、透明のアクリルを流し込んでは絵を書き
仕上げて行くというもの。一作品の制作には二ヶ月も費やすんだとか。
リアルな尾ひれ、今にも動き出しそうな躍動感はお見事。本物の金魚が泳いでいるかのような
リアルさと美しさに、日本のみならず海外からも「3Dアート」として注目を集めています。

金魚といえば、昨年10月には大阪で金魚の水槽電話ボックスが出現し、話題となりました。

これは大阪の魅力的なまちづくりを目的とした「おおさかカンヴァス推進事業」の一貫。
優雅に泳ぐ金魚の美しい姿を見て、古くからある日本人の美意識を改めて体感し、
祭りや餌を目的とした大量生産・消費される金魚の在り方を見直すこと、
そして金魚を日本の文化として再開花させたい、といった願いが込められた作品だそう。
普段は使わない電話ボックスも、思わず入りたくなってしまうような作品ですね。

新しくユニークなアートのモチーフとして脚光を浴びている金魚アート。
古くから親しまれてきたせいか、日本人にとってはどこか懐かしい気持ちになります
よね。海外にも発信できる日本文化として、再開花しているのではないでしょうか。