刑務所でのびっくり更生プログラム byKK

刑務所では、受刑者の再犯を防ぐために様々な工夫がされています。
日本でも盲導犬や警察犬の育成など、動物たちと関わることで
更生を促すプログラムなどが取り入れられていますが、
世界にはさらにユニークなさまざまなプログラムがあるようです。

まずはブラジルの例をご紹介。
世界的にも犯罪率が高いことで有名なブラジルですが、
刑務所のあまりの混雑状態が問題となっていて、なんとか再犯を防ぎ、
この状態を緩和しようと、新たな面白い取り組みが取り入れられました。
その取り組みとは、自転車型発電機を使った「発電の刑」。

発電の刑の志願者は、朝9時から夕方5時までひたすら発電機をこぎ続け、
街の広場の街灯使用のために電気を作ります。
これを3日間繰り返すと、ご褒美として刑期が1日短縮される、というもの。
刑務所にいながらにして社会の役に立っていることを感じることが再犯防止に役立つのだそう。
塀の中で過ごし、社会から忘れられたような疎外感を感じてしまいがちな
受刑者のメンタルケアにとても良いのだそう。

これ以外にも、ブラジルでは「読書をすると刑期が短くなる」というのも検討中。
1冊本を読むごとに4日間刑期短縮、年間で合計12冊分まで短縮できるのだとか。
ただし条件として、志願者は事前に委員会の審査を受けて合格しなければならず、
1冊あたり4週間以内で読みきらないといけないのだそうです。
さらには読書感想文の提出が求められるのだとか!

さてところ変わってフィリピンでは、首都マニラの刑務所で、
更生プログラムの一環として「料理の鉄人コンテスト」が行われました。
刑務所内の講堂に調理台を並べ、エプロンを付けた囚人たちが3人1組のチームで対決。
参加した受刑者たちは、あらかじめ用意された食材を使って前菜からデザートまで用意、
優勝チームには賞金3万円が贈られたのだそう。
審査員には現役で活躍するシェフたちを招待。
得意なことを活かしながら、チームで何かを成し遂げる。
自分への自信を取り戻す大きなきっかけになりそうです。

最後に紹介するのはアルゼンチンの刑務所。
アルゼンチンといえばサッカーが盛んな国ですが、
ここでは、受刑者がなんとサッカーの審判員の免許が取れてしまうのだそう!

サッカーの国際審判員のルイス・オリベット氏が始めたプログラム、
「刑務所のためのスポーツ」の一環だそうで、今月27日にも、
新たに受刑者20人が免許状を授与したのだそう。
スポーツをきっかけとして、出所後の社会復帰を助けるユニークなプログラムです。

お国柄を活かすプログラムや意外な方法で自分への自信を取り戻すプログラムなど、
様々な更生プログラムが始まっています。
日本でも、日本らしさを活かした、ちょっと変わった更生プログラムが
取り入れられる日も遠くないかもしれません。
もちろん、体験したくはないですが・・・。