古き良き、を新しく byKK

皆さんのお宅には民芸品を置いていますか?
私にとっての民芸品といえば、祖父母の家にある、いわゆる古いものというイメージで、
自ら好んで欲しいと思うことはあまりありませんでした。
しかし今、その古き民芸品たちが、伝統を残しながら進化を遂げ、
若い人たちの間でブームになりつつあります。

まずは、最近いろいろなところで耳にする、
若い女性の間での「こけしブーム」。
なんとなく怖い顔や無表情なイメージのあるこけしですが、
最近は微笑んでいるようなやさしい表情のものが増え、
そのかわいらしさにはまる女性が増えているのだそう。
また、「一点モノ」が多いことも女性に火をつける要因なのだとか。

こけしブームに伴い、今年3月に渋谷パルコでは、
こけし文化を知り、お気に入りのこけしに出会える展覧会、
『kokeshi pop ポップでカワイイこけしの世界』が開催されました。

さらに、「新種」のこけしたちも続々登場中。
「SUZUKIKE」のデザイナー、鈴木洋平氏は、
「日本のすばらしい伝統であるこけしを、伝統で終わらせたくない」と、
若い女性をターゲットに、これまでにない斬新なデザインのこけしを発表。

右から「Happy」「Fur」「Interior」というテーマ。
宮城県鳴子のこけし職人が削った土台に、SUZUKIKEがデザインを施しているのだそう。
こけし×花、こけし×ファー・・・これまでにはない発想ですね。

さらに変わった進化を遂げている民芸品があります。
民芸品といえば昔はブラウン管のTVの上に置いてあるのが定番でしたが、
近年の液晶TVの波に押され、売り上げがどんどん落ちてきているのだとか。
では民芸品側も、薄いTVにも置けるよう、薄型化するしかない!
と生まれたのが、「薄型民芸」。

従来の立体のものではなく、薄い木の板で作られた、「2D」の民芸品。
現在ラインアップとして、こけし・木彫りの熊・赤べこ・パンダがあるそう。
この薄型民芸は、板状で販売されていて、購入後に自分で模型のように組み立てて飾るもの。
大きさ、重さともに定型内で設計されているので、プレゼントにする人も多いのだとか。
確かに、外国の友人なんかに贈ったらとても喜ばれそうですね。
いわゆる昔ながらの民芸品の趣とはかなり違っていますが・・・
ユニークな、民芸品の新しいカタチです。

生活のスタイルが変わるにつれていつのまにか廃れてしまうものが
たくさんありますが、民芸品は大切な日本の文化・伝統の一つ。
その良さを残したままに、新しいライフスタイルにうまく溶け込むような
進化がこれからも期待されます!